2004報) 甘いミカンの種
ある現場での昼休み、休憩所に置いてある箱の中からミカンを1つ取り出し食べた時、いつもと違い、とても甘くて美味しい個体だった。
食べ終わるころ、種があることに気づいてプッと吐き出そうとしたが、“何か”頭の中に感じるものがあったんだ。
「もし、この種が育ったのならきっとまた甘い蜜柑になるんだろうな」と。
僕は種をティッシュに包みポケットに入れ、帰り道のどこか…もしも芽が出て育った時には大きくなるまで人の手が入らないような所にそっと埋めてこようと思ったんだ。
その日の夕方、現場の後片付をしながら目に入ったのは作業ズボンの裾に着いているセンダングサの種、それを見て思ったんだ。
同じ「種を運んでもらう」ことにしても、やり方がこんなに違う。
人間に種無しにされてるはずの あのミカンはきっと意地でも種を残そうと頑張って甘くなり、贈り物としてなのか、人に遠くへ運んでもらい、作った人も買った人も、送った人や貰った人も喜ばせ、食べた俺が「種がありやがって食べにくいなぁ」なんてことすら思わせない程の甘さと美味しさで「コイツの種は残してあげたい」と思わせる…そんな風にして、、俺の心を掴み体を動かした。
なのにセンダングサときたら…
「コイツの種は運んでやらない。」と、その時から俺は、しっかりとセンダングサの種だけはその場で取り、置いてくようになったんだ。
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☁︎そしてコレを読み終えた アホの感想ときたら、きっとこう言うだろう
「コレを書いた奴が未婚だとしたら自分が誰かを紹介してもらいたいから、遠回しにこんなことを書いたんだよ!きっとそうに違いない。」と。
(…そして、明日の朝にはスッカラカンの日常さ。でもそれでいい、コイツがやると押し付ける傾向があるだろうから。)
だから先に言っておく。
俺は未婚だが、自分自身で何とかするから大丈夫さ。
そのために頑張ってい遺伝子を磨いている。
それより、コレを読む君の周りの甘くて美味しいミカンが内気な人なら、明日の朝から何となく頭の隅に置いてあげていて欲しい。
もちろん押し付けないところでな。
2004報) 甘いミカンの種